自社ローンの基礎知識

自社ローンで購入した車の所有権はあなたではありません【売却の際に注意!】

自社ローンで購入した車の所有権について知りたい方へ

今利用中の中古車は自社ローンで購入したけど所有権がついていないって本当?

自社ローンの支払いがきつくなったので売却したいけど所有権がついていないから売却できないって本当?

そんな疑問に元自社ローン販売店勤務だった私がお答えしていきましょう。

所有権とは?

車に関する所有権とは、車の財産権を主張できる権利です。その車の売買の権利など資産に関係することや、名義変更など車の公的な処理に関しては所有権がある人の許可が絶対となります。

使用者が売買や名義変更をする場合は、必ず所有者の許可・委任状が必要となります。

原則、ローン支払いが完済するまでは車両代金を立て替えている人が所有者にあたります。

自社ローンの場合は自社ローン対応販売店・オートローンの場合はローン会社

現金一括で購入した場合は、使用者が所有者になります。

自社ローンで購入した中古車の所有権は販売店

まず、自社ローンで購入した中古車の所有権はユーザーのあなたではなく販売店にあります。

自社ローン販売は購入者が完済するまでは販売店の所有物で、完済してから初めて完全な所有者として所有権の移動をすることができます。これを所有権留保と言います。

つまり自社ローンの支払いが2年の24回払いだった場合、自分の手元に中古車が届いていたとしても24回目の支払いが終了しない限り所有権は販売店であなたに所有権はありません。

なぜ所有権がついていないか?

第一の理由としては支払いが終わるまでは販売店の資産であるということが挙げられます。

逆に支払いが終わるまでは購入者に資産としての権利はありません。

もう少しわかりやすく説明すると、仮に自社ローン販売車両で支払い前に所有権を与えてしまうとこういったことが起こるでしょう。

Aさんは自社ローンを利用し40万円で中古車を購入したとしましょう。頭金5万円だけ入れた後、すぐに買取店でクルマを売却し20万円の値がつけば差し引き15万円がAさんに残ります。

Aさんが支払いを拒み飛んでしまえばAさんは15万円の利益、販売店には単純計算で35万円の損失が出ることとなります。

理由はこれだけではないですが主に上記を防ぐため、支払い途中の自社ローン車の所有権は販売店にあります。

なぜかというと、車を売却するためには所有権を販売先に移す必要があるからです。自社ローンで支払い途中の人は所有権がないため所有権を移す作業ができないので、所有権がある人に黙って勝手に売却ができない仕組みになっているのです。

では自社ローン支払い途中の車の売却はどうなるのでしょうか。

自社ローン支払い途中の売却は一旦完済後に

自社ローンの支払い途中で自分に所有権がない場合は、残金を一旦完済してから所有権を移動させるか、購入先に下取りしてもらって差額を返済するかの2択が基本となります。

所有権がない状況では、販売店の許可なく売却はできないためまずは自社ローンを利用したお店に連絡をしてどのようなフローで支払いを終わらせるか相談した方が良いでしょう。

残金を先に完済する場合

自社ローンの残りを先に完済する場合は先に所有権を解除できて販売店に買取先を指定されることもないため、1番高く買い取ってくれるところを探したり友人に販売することも可能です。

1番きれいな形はローン残債を上回る売却金額があることですが、一般的な車両で買取金額が残債を上回ることはないでしょう。

先に完済が前提となるため、買取先にも話をつけた上で残債を支払う流れになるのが一般的になると思います。

自社ローン利用店で下取りする場合

残りの残額から下取り価格を引いた金額を一括返済、もしくは自社ローンの支払いは続けていくといった形もあるでしょう。

販売店は少しでも確実にローン支払いを受けたいので自分のお店で下取りすることを勧めてくると思います。

車両がなくなった場合のローン返済率は低くなるため販売店が嫌う傾向があります。一括返済を求めてくるのか、そのままローン支払いを続けることができるのかといった契約条件も購入前に確認しておくことが好ましいと言えます。

では、なぜ自社ローンの車両は完済まで所有権がないのに車を利用できるのでしょうか?

所有権がないのに車を利用できる理由は使用権

所有権はないが使用権があるからです。使用権がある使用者が車を使用する権利があるのです。

車検証を見てみるとわかりますが、車には所有者と使用者の2欄が存在します。

自社ローンの場合

完済前

自社ローンの場合、支払いが完済するまでの所有者は自社ローン販売をした販売店にあたります。

支払いが完済するまでは販売店の所有物とみなし、勝手に売却をしたりすることができません。

所有者 自社ローン販売店
使用権 購入者

完済後

完済後に、所有権を解除してもらい購入者に譲渡してもらえます。手続きを代行してもらう場合、店舗によって代行費用も異なります。

所有者 購入者
使用権 購入者

一方でオートローンも同じシステムになっています。

オートローンの場合

自社ローンだけ所有権がもらえないのか・・・といったことではなく、オートローンも支払い終了まではローン会社の所有物です。

同じように所有権がないうちは勝手に売却することもできません。

完済前

ただし最近のオートローンでも安い車や信頼性の高い人は初めから所有権が購入者に設定されることもあるため100%とは言えません。

しかし勝手に売却をすることができないのは同じとなります。

所有者 オートローン 会社
使用権 購入者

完済後

所有権譲渡を行えば所有権も手に入れることができます。

所有者 購入者
使用権 購入者

では具体的に使用権がある使用者は何が出来て、何を義務として行わなければいけないかを紹介します。

使用者とは?

文字通り車を使用できる権利を持つ人を使用者と言います。自動車税などの税金を支払うのも当然使用者です。

当然といっても実は所有権を持つ人が支払う必要があるのですが、所有権留保をしているため使用者を実際の所有者とみなして課税がされます。

自社ローンの場合は販売店が支払いませんしオートローンの場合もオリコやアプラスが自動車税を支払ってくれるわけではありません。

当然、普段車を使用しているユーザーに支払い義務が発生します。

まとめると

こちらのページでは自社ローンの所有権についてまとめました。

所有権は車の財産権利を持つ人で、自社ローン完済後はユーザーのものになります。

自社ローンの返済ができなくなり、車両を途中で売却しなければいけなくなる状況は極めてレアケースだと思いますが。そのような状況にない限り所有権の有無で普段の車生活で木になる点はないのであまり気にすることではありません。

ただし売却や名義変更などは許可なく出来ないということは覚えておきましょう。

 

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